新潟県魚沼市の温泉旅館に設置された小型水力発電機 |
身近な農業用水などを水力発電に生かす研究に取り組む信大工学部の池田敏彦教授(63)と飯尾昭一郎助教(33)の研究室が13日、新潟県の温泉旅館で自噴する温泉水を使った発電の実証実験を始める。使うのは構造が比較的単純で安価な小型水力発電機。温泉水での実験を通じて耐久性を調べる。結果が順調ならば、温泉施設の豊富な信州での普及にも道が開けそうだ。
新潟工科大(柏崎市)の佐藤栄一准教授の研究室との共同実験。ディーゼルエンジンで自家発電している新潟県魚沼市の温泉旅館経営者が、温泉を使った水力発電を知人を通じて池田教授らに依頼した。同教授らも開発中の「ジェット水車」を実証実験する場所を探していたため、今月上旬に発電装置を取り付けた。
ジェット水車はパイプの先端を細く絞って温泉水を噴流にし、直径20センチの水車を回転させて発電する。池田教授らが開発した小型発電機の3号機で、実証実験は初めて。温泉水の流量は毎秒4リットルで、既に行った予備実験の発電量は約100ワットだった。玄関先のちょうちんと照明、衛星電話の電力を賄えるという。
実証実験では、多様な成分を含む温泉水にさらされる過酷な条件下で長期間稼働させ、金属の劣化など装置の耐久性を調べる。実験は「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の委託事業に採択されている。
池田教授らが開発した小型発電機はこれまでに須坂市米子の用水路に置かれ、近くの有害鳥獣対策用の電気柵に電力を供給するなど実用化も進んでいる。耐久性の向上や軽量化が課題で、同教授は「エネルギーの『地産地消』を進め、誰でも気軽に使える小型エコ水車を開発したい」と意気込んでいる。